ネコさんを飼っているおひとりさまの9割以上が最も気にしているであろうこと。
それは、「自分が死んだ後、残されたわが子がどうなってしまうのか?」という問題ではないでしょうか。
この問題については、本来、終活をするしないに関わらず、おひとりさまが猫をお迎えするときには、必ず考慮に入れておいてほしいことでもあります。
同居家族がいれば、慣れた家族が自分の後を引き取って、ネコさんのお世話をしてくれるのがベストだとは思いますが、そうはいかないのがおひとりさま。
あなたが亡くなった後は、あなたの大切なネコさんのことを全く知らない他人にお願いするしかありません。
そんなときの1つの選択肢として、ペット信託があります。
ペット信託とは?
ペット信託とは、ペットを飼っている人が自分が亡くなった後にもペットの世話や生活を続けられるようにするために、信託契約によって信託財産を設定し、信託会社や弁護士などの第三者(信託監督人)にペットの飼育と管理を委託する制度です。
ペット信託のしくみ
ネコさんの飼い主であるあなた(委託者)は、財産の管理をしてくれる人(受託者)と信託契約を結び、財産管理専用の信託専用口座を開設します。
信託契約書は、弁護士や司法書士などの専門家に依頼します。
信託契約では、あなたのネコさんの世話をする新しい飼い主を指定し、委託者の死後、あるいは委託者がネコさんの飼育困難になった場合に、信託が開始されます。
財産を信託する受託者と新しい飼い主が正しく契約内容を遂行するように、信託監督人を設定することもできます。
信託契約書には、信託解消時の手続きが記載されています。信託解消時には、残った信託財産がどのように扱われるか、ネコさんの引き取り先が誰かなどが定められています。
あなたのネコさんが死亡した場合、信託は終了します。この場合、信託監督人は、ネコさんの死亡証明書を受け取り、適切な方法でネコさんの処置を行います。また、信託財産の残余は、飼い主が指定した相続人や慈善団体などに寄付されます。
ペット信託のメリット
ネコさんの飼育の継続が可能となる
ペット信託契約をすることで、飼い主であるあなたが亡くなった後でも、あなたの大切なネコさんが信頼できる人の元で安心して生活できます。
また、あなたが存命中でも、信託財産をネコさんの世話に使用することができます。
例えば、あなたが高齢になってネコさんの世話ができなくなった場合でも、信託財産を使ってネコさんのお世話をすることができるのです。
ネコさんの健康管理がしっかりと行われる
ペット信託によって、ネコさんの飼育費用や医療費用が確保されます。
ネコさんの健康管理がしっかりと行われるため、彼らが健康で快適に過ごせる環境が整います。
ペット信託は、あなたのネコさんの健康状態が悪化し、治療費が高額になった場合でも、信託財産を使って治療を受けることができます。
信託財産の管理が適切に行われる
信託監督人によって、信託財産の適切な管理が行われます。
ネコさんの飼育費用や医療費用、および信託監督人の報酬などに使用されます。
また、信託財産の残余は、あなたが指定した相続人や慈善団体などに寄付されます。
相続人間のトラブルを回避できる
ペット信託契約をしておくことで、相続人間のトラブルを回避することができます。
ネコさんの引き取りや遺産分割などで揉めることがなくなります。
ネコさんとの最後の別れを安心して迎えられる
ペット信託は、ネコさんが死亡した場合の処置も含まれています。
信託監督人が適切にネコさんの最後の処置の監督を行うことで、あなたはネコさんとの最後の別れを安心して迎えることができます。
ペット信託のデメリット
手続きが複雑で費用がかかる
ペット信託を設立するためには、一定の法的手続きが必要であり、弁護士や税理士などの専門家のアドバイスを受ける必要があります。
また、信託の手数料や税金などの費用がかかります。
信託解除が難しい
ペット信託を解除するには、信託契約書に従って手続きを進める必要があります。
信託財産を解除することは、手続きが複雑で時間がかかる場合があります。
さらに、ペット信託には、一定の法的手続きが必要です。
ペット信託契約をするには、遺言書と同様に、地方の法律に従って手続きを進める必要があります。
信託契約書には、信託を解除する方法が記載されているため、必要に応じて解除することもできますが、その場合は信託解除に伴う手続きや税金の支払いなどが必要になる場合があります。
信託期間の制限がある
ペット信託には、信託期間の制限があります。
一般的に、ペットが生きている期間に限定されています。
つまり、あなたのネコさんが亡くなった場合、信託は解消されます。
そのため、信託期間を過ぎる前にあなたのネコさんが亡くなってしまった場合、信託が解消され、信託財産がどのように処理されるかは、信託契約書に従って決定されます。
信頼できる監督人の選定が必要
ペット信託を設立するためには、信頼できる監督人を選ぶ必要があります。
また、信託監督人がネコさんを飼育するための施設やスタッフを確保しているかどうかも重要なポイントです。
信頼できない監督人を選んでしまった場合、あなたのネコさんの幸福が損なわれる可能性があります。
ネコさんの意向が反映されない場合がある
ペット信託を設立する場合、ペットのの意向を反映させることができません。
あなたのネコさんが好む食べ物や遊び方、散歩の好きな場所などをしっかりと信託契約に含めておく必要があります。
信託財産について
信託財産は、ネコさんの世話をするために必要なお金や、ネコさんのための食料、医療費、猫用品、ネコさんが住むための場所など、ネコさんの生活を維持するために必要な物品や場所です。
信託財産は、飼い主であるあなたが亡くなった後も管理され、適切に使われるように管理人が責任を持って管理します。
信託財産には、あなたのネコさんの生涯にわたって必要な資金を確保するために、十分な金額を用意する必要があります。
ペット信託を設立する飼い主は、ネコさんのライフスタイル、年齢、健康状態、医療費の見込み、食費、およびネコさんの生活に必要なその他の費用に基づいて、十分な資金を用意する必要があります。
まとめ
ペット信託は、ペットの安心した飼育と管理を保証するための有効な手段です。
ネコさんを愛する飼い主であれば、ペット信託を設定して、ネコさんが快適に過ごせるようにしておくことが大切です。
ただし、信頼できる信託管理人を見つけることや、費用がかかることなども念頭に置いておく必要があります。