ネコ様が亡くなった後、火葬までの間にしてあげられること。
その1つが、エンゼルケアです。
知っているかどうかで、かなりその後の飼い主様の気持ちに違いが出るので、知識として知っておくだけでも役に立つかなと思いシェアします。
エンゼルケアとは?
エンゼルケアとは、人やペットが亡くなったときに行う、死後処理のことを言います。
明確な定義はないので、飼い主様が納得できる形であれば、どのような方法でも構わないのですが、一般的には、亡くなったネコ様を(見た目にも、衛生的にも)きれいな状態に整えるために行うことが多いです。
今回は、私自身が愛猫を看取った後に、実際に行ったエンゼルケアの方法をシェアしたいと思います。
もし、これからネコ様を看取る可能性のある飼い主様にとって、少しでも参考になればうれしいです。
エンゼルケアは誰がやる?
ネコ様のエンゼルケアは、飼い主様ご本人がやってもいいですし、動物病院やペット葬儀社、ペット霊園などでもやってもらえます。
また、自宅で看取った場合などは、エンゼルケアを専門にしている業者がご自宅まで来て処置してくれるサービスなどもありますので、ご自身のお住いの地域などで確認してみてください。
私自身は、ネコ様を最期は自宅で看取ることを決めており、そのまま自分でエンゼルケアを行いました。
外部に頼まなかった理由としては、単純にネコ様が亡くなったらすぐに処置してあげたかったことと、最後までネコ様と向き合う時間を作りたかったからです。
準備するもの
自分でエンゼルケアをやる、と決めたら、ネコ様が生きているうちにやっておかなければならない準備があります。
正直辛いです。
そんなことはないとわかっていも、自分がこの準備をすることによって、ネコ様の死期を早めてしまうことになるのでは?とか、私がネコ様のエンジェルケアの準備をしているところをネコ様が見て、どう感じるのか?とか、そんな自分の心の弱さと向き合うことになります。
- 水を入れて凍らせたペットボトル2~4本
- アイスノン
- 保冷剤
- ネコ様お気に入りベッド
- 大き目ゴミ袋
- ペットシーツ(大・小)
- ティッシュやトイレットペーパー
- シャンプータオルやウェットティッシュ
- ネコ様お気に入りタオル
当時、ネコ様の生きていた証を残したくて、記録したメモ
ネコ様安置場所の設営
ネコ様ベッドに大き目のゴミ袋をかける
その上に、大判のペットシーツをかぶせる
真ん中にアイスノン左右に凍らせたペットボトル
(アイスノンやペットボトルは、結露してネコ様が濡れてしまうので、ペットシーツの吸水面を内側にしてくるむと良いです。バスタオルなどの厚めの布でくるむのも〇)
ネコ様が亡くなった後にやること
ネコ様が本当になくなったかどうかの確認
- 脈拍や鼓動、呼吸の有無
- 瞳孔の収縮(目に光を当てる)
ネコ様が亡くなったことが確認できたら、次の処置に移ります。
目と口を閉じる
死後硬直が始まる前であっても、目と口を閉じさせるのは、思った以上に力が要りました。
良くドラマなどであるような、目のあたりに手をかざすようなしぐさをして、スッとおでこから鼻にかけて手をおろすと、遺体の目が閉じている、というようなことはありません。
我が家のネコ様の場合は、軽くではなく、少しだけ力を入れて、瞼をおさえ、鼻先と顎とおにぎりを握るようにやさしくぎゅっと握って閉じました。
お腹を少し圧迫して、尿や便を出す
長い闘病生活の末、最後の2週間ほどはほとんど食べていなかったこと、点滴の量も徐々に減らし、当日は水もほぼ口にしていなかったことから、我が家のネコ様の場合はそれほど体液は出ませんでした。
少し、お腹を押しておしっこが出たくらいで、おしりのあたりにティッシュを置いて、もし濡れていたら交換する、ということをしていました。
必要に応じて詰め物をする
ほとんど体液が出なかったので、詰め物はしていません。
全身をシャンプータオルやウェットティッシュなどできれいにし、乾いた布で拭き取る
腎臓病末期ということもあり、お口の周りは涎でカピカピしており、それをぬぐう右前足の手首も随分と汚れてしまっていました。
飼い主さんによっては、洗ってあげる方もいるようですが、乾かすのにドライヤーを使うと身体が傷みそうですし、乾くのにも時間がかかると思ったので、私はシャンプータオルで拭いて、できる範囲でキレイにしてあげました。
ある程度の汚れであれば、シャンプータオルでも十分きれいになります。
ドライシャンプーなどもおすすめです。
必要ならブラッシングなどで毛並みを整える
毛並みを整えるという意味以外にも、もともとネコ様はブラッシングが大好きだったので、お気に入りスリッカーで、最後のブラッシングをしました。
体制を整えて、用意したネコベッドに横たえる
準備しておいたベッドにネコ様を寝かせます。
頭とお腹中心に保冷剤で冷やします。
ここまでを手早くやらないと、死後硬直が始まってしまいますので、その前に適切な姿勢にしてあげます。
普段寝ているような自然な形にして、ネコベッドのカーブに合わせて寝かせました。
遺体の安置
当時は6月。
エアコンなしでも快適な気温でしたが、遺体を安置するには暑い。
そこで、ネコ部屋のエアコンを20度にして、遺体を安置しました。
ネコ様の上からお気に入りブランケットをかけて、直接エアコンの風があたらないようにしました。
我が家のネコ様が亡くなったのは6月5日の22:37。
火葬は翌日の6日の朝10:00。
約半日。
お腹と頭の保冷材は取り替えましたが、ペットボトルのお水はそれほど溶けず、交換する必要はありませんでした。
エンゼルケアを実施して感じたこと
心苦しくはありましたが、ネコ様が生きているうちに、エンゼルケアの準備を済ませておいたので、亡くなった後は、粛々とネコ様の身体を清めることに専念できました。
エンゼルケアを、他者にお願いすることもできますが、私個人の意見としては、飼い主様ご自身でされるのが良いと思います。
なぜなら、エンゼルケアは、最後のネコ様との肉体を通しての対話になるからです。
エンゼルケアを施した後は、それほどネコ様の身体に触れることはないと思います。(眺めることはあっても)
ネコ様が亡くなり、ネコ様はもうそこにはいないのだけど、肉体だけは残っている。
その肉体までもが消えてしまうまでの、束の間、エンゼルケアを通してネコ様に思いを馳せ、ネコ様の死を受け入れる、そういう時間になると思っています。
これは、動物看護師の方に聞いたお話ですが、飼い主様がご自身でエンゼルケアをされた場合は、その後ひどいペットロスになりにくい傾向にあるようです。
私自身、エンゼルケアをしながら、ネコ様の死を受け入れることができ、驚いたことにペットロスにはならなかったのです。
人間のお葬式は、残された人たちの気持ちの整理のために実施するというお話を聞いたことがありますが、エンゼルケアはそれに近いものがあるかもしれません。
まとめ
愛猫とのかかわり方において、これ、という正解はありません。
100人(100匹)いたら、100通りのかかわり方があっていいと思います。
今回の、私の例も、あくまでも一例として、参考程度に見てもらえればいいと思います。
いいな、と思うところは取り入れていただき、これは納得いかない、というところについては、ご自身の納得のいく方法を模索することで、より納得度の高い対応ができます。
大切なことは、予測される未来について、逃げずにしっかりと向き合うこと。
一度きりの人生(猫生)を後悔のないように生きること。
まあ、それがまたとても難しいことでもあるのですが・・・。
そんな方のために、ネコと終活では、人生(猫生)設計を飼い主様と一緒に作り上げる「終活ポートフォリオ」というサービスを提供しています。
一人で悩む前に、一度ご相談ください。