2022年5月18日:下僕が初めてスコ様に点滴の針を刺す日

目次

5月18日(水)

今日は動物病院で、いよいよ下僕自身がスコ様に点滴の針を刺す日。

失敗しても先生がフォローしてくれるという安心感はありますが、当然何度も刺し直しなんてしたくないので、一発勝負、背水の陣で臨みます。

前回は、点滴の準備まででしたが、今日は点滴の準備+実際に針を刺して点滴を終わらせるところまで。(つまり、全部)

スコ様は17歳という高齢にもかかわらず、野性味がスゴイため、基本嫌なことをされると相手を殺しにかかってくるので、下僕としても命がけです。

抱っこNG、首から下はおさわりNGと、NGの多いスコ様なのです。

今回は、先生が一緒にいてくれますが、実際は自宅でやることになるので、先生の保定はありません。

今後下僕一人でできるように、下僕がやるであろう方法で練習させてもらいます。

スコ様をキャリーに入れます。

キャリーは上が空くようになっているので、そこから点滴をするのです。(保定の代わりになります)

キャリーの中でスコ様が動けないように、バスタオルをギュッと詰めて、スコ様の動きを封じる工夫をします。

基本ネコ様は完全に動きを封じられるのが嫌いなイキモノなので、多少は動けるけど、方向転換はできないくらいの詰め具合がちょうどいいそうです。

次に点滴の準備をします。(これは何度もシミュレーションしてきたので、簡単)

そして、いよいよ、針を刺す瞬間が・・・来ました。

アルコール消毒した後に、先生が針を刺すポイントを教えてくれます。

ネコ様の背中の肩甲骨の少し下あたりが、皮が伸びるのでやりやすいとのこと。

そして、肩甲骨の下あたりを利き手と反対側の手の親指と人差し指で軽くつまんで、上に引き上げると、テントのようなくぼみができるので、そこを利き手で軽くつんつん押して、くぼみを確実に作ります。

そのくぼみの辺りに、斜め45°くらいの角度で、点滴の針を刺します。

針を刺す時に慎重になりすぎると、ゆっくり確実に針を刺そうと思ってしまいがちですが、先生曰く、ネコ様にもよるが、ゆっくり針を刺すと、皮が伸びてなかなか刺さらず痛い思いをする可能性があるので、刺す瞬間は思い切って刺した方がいいとのこと。

さて、今スコ様はというと、完全に戦闘モードに入っているので、失敗は許されません。

なんとしても、一発で仕留めなければなりません。

くぼみを作って一気に・・・刺す!

正直なところ、斜め45°・・・などと、考えている余裕はありません。

でも、気を付けないと、皮を突き抜けたり、筋肉に刺さったり、はたまた自分の手を刺してしまう可能性だってないとは言えないので、今回はちゃんと入ってくれて本当によかった・・・。

先生に見てもらいながらなので、針を刺してOKをもらったら、クレンメをあけて点滴の輸液を流し込みます。

※クレンメとは、点滴の輸液の流量を調節する鉗子のことです。

数分後・・・無事に点滴完了。

とりあえず、初めてにしては上出来だと思います。

一番心配していた、「イキモノに針を刺す感触」は、思ったよりも大丈夫でした。

たとえるなら、焼き鳥の厚めの鳥の皮に針を刺すような感触。

ブヨっとしているところに、「ぷすり」と刺さる感じ。

先生曰く、針の真ん中くらいまででいったん止めて、輸液を入れてある程度膨らんだら残りの針を奥まで差し込むといいらしいのですが、そんな調整する余裕は皆無です・・・。

とにかく、慣れるしかありません。

明日も病院で練習させてもらって、上手くいくようなら、来週から自宅点滴が始まります。

今は、先生が見ていてくれるので、安心して点滴ができますが、いざ一人でやらなければならなくなった時に、緊張せずに上手くできるかが、とても心配です。

心配していてもしょうがないので、やるしかないのですが、私の拙さによって、スコ様が痛い思いをしたり、不愉快な思いをするのだけは避けたい。

とは言え、とにかく回数をこなして、上手くできるようになるしかありません。

生理的に針を刺すのが無理なわけではなかったようなので、良かった・・・。

というよりは、思った以上に、大丈夫だったことに驚きました。

どちらかというと、スコ様の殺意に私の腕が耐えられるかどうかの方が心配かもしれない・・・(多分大暴れし、腕に噛みつかれて負傷している図が思い描かれます。)

そういう意味でも、子猫の頃から触られたりすることに慣れさせておくのは大事だな、と心から思いました。

まあ、スコ様とシマシマはシニアになってからウチに来たので、そもそも無理な話なのですが。

これからネコ様をお迎えする人は、爪切りやブラッシングなど、将来的にお世話や介護で人間がやらなければいけないことはたくさんあるので、そういうことを見越して、子猫の頃からちゃんと準備しておくのがよいと思います。

できないから、やらせてくれないから、という理由で獣医さんに頼りっきりだと、後で介護になったときに、非常に困るということを、今身をもって知る、愚かな下僕なのでした。

スコ様、下僕がんばりますのでよろしくお願いします・・・。

2023年にスコ様を看取ってからの追記

ペット保険に入っておくかどうかは、人それぞれだと思いますが、万が一のことを考えて、ネコ様が小さいうちにどちらにするかはしっかりと考えておいた方がいいと思います。

例えば、毎日点滴で通院すると、点滴代だけで3,000円×30日=90,000円/月になります。

これに、診察代や定期的な血液検査、お薬代など含めると、プラス3~4万はかかるので、毎月軽く10万円を超えてきます。

人間の場合は、高額療養費制度があるので、上限がある程度決まってきますが、動物医療の場合はそういうのがないので、際限なく支払うことになります。

自分でネコ様積み立てをするか、ペット保険に入っておくか、いずれにせよ、いざという時にお金がなくて治療が受けさせられないということがないように、準備しておく必要があります。

ちなみに、スコ様が慢性腎臓病になってからは、医療費や療法食などで、合計毎月10万円を超えていました。

私はおひとりさまですが、支払えるだけのお給料があってよかったな、と心から思いました・・・。

ネコ様が若くて健康なうちは、あまり考えることがないかもしれませんが、若くて健康なうちだからこそ、しっかりと方向性だけは決めておいた方がよいでしょう。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次