初めての人のための自宅点滴 Q&A

スコ様が慢性腎臓病になったことで、初めて自宅点滴をすることになった下僕ですが、人生で初めてイキモノに針を刺すという行為には、不安しかありませんでした。

また、自宅点滴なんて自分でにできると思ってもみなかったので、これまで考えたこともなく、経験したことのない行為に対する、疑問がいっぱい。

動物病院によっては、自宅点滴を是としない病院もあるようなので、その辺は、動物病院や獣医さんと相談することになりますが、スコ様のかかりつけ病院は自宅点滴OKでした。

自宅点滴のやり方は、獣医さんが丁寧に教えてくれますし、病院で自宅点滴の練習もさせてもらえます。

練習の時に、とにかく色々疑問点を聞いて、先生に教えてもらいました。

これから、自宅点滴をしなければいけない人がいれば、ご参考までに。

もちろん、自分の担当獣医さんに直接質問することが一番重要なので、しっかりご自身でも確認してくださいね。

輸液バッグの穴が3つあるが、どれに刺せばいいか?

どこでもOK

輸液バッグには、3つ穴が開いていて、2つがINで1つがOUTと書いてあります。

どこに刺せばいいのかな?と思ったのですが、どこに刺してもいいらしいです。

どこでもいいというのが、ちょっと嫌なのは、私だけでしょうか?笑

ちなみに私は、毎回OUTに刺しています。(意味はなく、なんとなく毎回決めておきたい性分なだけです。)

輸液ラインの空気室にはどのくらい液をいれておけばいいのか?

1/3~半分くらいでOK

実際のところは、空気室をいっぱいにしてもいいらしいのですが、輸液の落ちる速度を見るために、多少空気室の上部に空きがあった方がいいので、先生は半分くらいで十分ですよ、とおっしゃっていました。

私も、それに倣って、いつも半分くらい満たした状態にしています。

実際やってみると、確かに、加圧バッグで輸液を加圧するときの目安になるので、全部満たさない方がいいな、と納得。

点滴は空気が入ったらダメなんですよね?

空気が入っても大丈夫です

どこからの知識かわからないのですが、私は、点滴で空気が入ったら死んでしまうと思っていました。

注射の際に、先生が1回ピュッと針の先から液体を出すイメージがあったので、それがそう思った理由かもしれません。

先生曰く、静脈注射は空気が入ってはダメですが、皮下点滴は空気が入っても大丈夫とのこと。

とは言え、空気は入らない方がいい(空気が入ると不愉快らしい)ので、輸液ラインには空気が入らないように気を付けています。

ちなみに、輸液ラインに空気が入っている場合は、指でチューブをぴしぴしはじくと、空気が上に登っていって、空気室に収まるので、少しでも自宅点滴を不快なモノにしないためにもやっておくといいでしょう。

輸液ラインを連続して使う場合は、2回目以降にラインに結構気泡が入っているので、私は、気泡をなくすこのひと手間は惜しまないようにしています。

針を刺す向きは?

斜めに針がカットされている断面が上にくるように刺す

翼状針は斜めにカットされています。

この斜めになっている針の断面が上にくるようにして、刺します。

ちなみに、翼状針という名前の通り、針には羽がついています。

この羽は、片側の面がブツブツしていて、反対側の面がつるんとしています。

ブツブツのついた面 ↓

つるんとしたほう ↓

ブツブツの方を外側にして羽を合わせると、針の断面が上にくるようになっているので、分りやすいです。

針が抜けてしまったら?

新しい針に付け替えて再度刺す

ネコ様が動くので、せっかく針を刺したのに、思った以上に簡単に針が抜けてしまうことがあります。

針は、一度刺すと鈍くなってしまうらしく、同じ針を使って刺すと、最初よりもイタイとのこと。

また、一度刺した針を再度刺すのは衛生的にもよくありません。

なので、ちょっともったいない気もしますが、ネコ様のために、失敗したら新しい針を使うようにしています。

失敗することも考慮して、針は少し多めにもらっておくといいです。

穿刺に失敗してしまったら?

落ち着いてもう一度刺せば大丈夫

針を刺すという行為は、人生でそうそう経験することではないので、初めての時は特に不安になることが多いと思います。

皮下に入らなくて、筋肉に刺さってしまったら?

皮膚を貫通してしまったら??

・・・と不安をあげればきりがありません。

でも、翼状針の針は、せいぜい2センチくらい。

どう頑張っても、内蔵に達することはないらしいです。

角度によっては筋肉に刺さることも無きにしも非ずということですが、その時は落ち着いて、針を少し引きましょう。

貫通してしまった場合も同じ。

焦らず、少しだけ針を戻す。

先生曰く、失敗しても、死ぬことはないので、とにかく冷静に落ち着いて対処することが一番大事とのこと。

正しい位置に針が刺さっているかどうかはどうやって判断するの?

輸液の落ちる速度で分かります

自分が刺した針が、ちゃんと皮下に刺さっているかどうか、不安になりますよね。

正しく入っていれば、輸液バッグから空気室にぽたぽたと液体が落ちてきます。

この落ちる速度が異様に遅い場合は、正しい場所にさせていない可能性があります。

また、皮膚を貫通してしまった場合は、液漏れがあるのでわかります。

私の先生は、まず針を半分だけ刺して、少し輸液を流し、輸液によってある程度空間が確保されたところで、針をすべて刺す、というテクニックを使っているようですが、さすがに自宅点滴初心者には、そんな高度は技はできないので、最初からブスッと全部刺せばいいです。

輸液を落とす速度はどのくらい?

最初はゆっくりがいいですが、ネコが慣れてきたら加圧バッグで圧をかけてOK

私の点滴のイメージって、ポタ・ポタ・・・と少しずつ点滴が入っていくイメージ。

でもそれは静脈点滴のイメージで、皮下点滴においては、速度はあまり関係ないとのこと。

逆に、動物はあまり長い時間じっとしていられないため、加圧バッグなどを使って、ある程度時間短縮をしてあげたほうがいいですよ、と主治医の先生はおっしゃっていました。

ただし、最初からいきなりクレンメ全開だと、ネコ様もびっくりしてしまいますので、まずはクレンメをゆっくり開けて、少しずつ輸液を入れて、徐々にスピードを上げていくというのがおススメとのこと。

私の場合は、針を刺したら、まずゆっくりとクレンメを少しずつ開けていく。

この時、空気室を見て、輸液の落ちるスピードを確認。

少しそのままにして、ネコ様が暴れないことがわかってから、加圧バッグに圧をかけて点滴スピードを上げています。

この時もいきなり圧をあげると結構な勢いで輸液が皮下に入るので、ネコ様がびっくりしてしまいます。

なので、圧をあげるのも少しずつです。

圧を上げすぎるとネコ様が嫌がることがあるので、その力加減は何回かやってみて、ご自身のネコ様にとっていい塩梅を探すしかありません。

途中で針が抜けたら?

まずは針を安全なところに移動させてクレンメを締めてください

ネコが暴れると、思った以上にあっさり針が抜けます。

まず最初にやることは、針を危なくないところに移動させること。

うっかり踏んだり、手を刺したりしないように。

安全の確保ができたら、次はクレンメを締める。

とっさの時は、正直クレンメを締める、というところにまで頭が回らないので、床が水浸しになるので、常にタオルなどを用意しておいた方がいいと思います。

輸液を人肌に温める際に輸液ラインの針は外していいのか?

OK

輸液は毎回電子レンジで人肌に温めます。

電子レンジは良くない、湯せんがいい、という話も聞きますが、毎日のことですし、電子レンジでよっぽど大丈夫です。

時間で温度のコントロールもしやすいですし。

我が家の電子レンジでは、500mlの輸液バッグは、600Wで30~40秒くらいで、人肌に温まります。

部屋の温度や季節によっても若干変わりますので、最初は10秒ずつ始めて、良い時間を探すといいと思います。

当然レンジに入れるときは、輸液ラインの針(輸液に刺すプラスチックの針)は抜かなければならないので、再度刺す時は、輸液側・輸液ライン側の針の両方を消毒しましょう。

1回の点滴の輸液量は?

脱水の程度によって変わります

今、我が家のスコ様は腎臓病によって、尿の質が悪い(薄い)ため、毎日点滴が必要です。

脱水しているなら、ある程度の輸液量を確保する必要がありますが、輸液量には計算式があるらしく、勝手に決めることはできません。

私の場合は、週に1回病院にスコ様を連れて行くので、そのタイミングで血液検査をして、輸液量を決めてもらっています。

現時点ではMAXの200mL。

腎臓の数値が悪くなったとしても、もうこれ以上は増やせません。

その辺の見極めも、自己判断ではなく、必ずかかりつけ獣医さんに確認しましょう。

自宅点滴が上手くいかないときは病院でやってもらえるか?

もちろんです

毎日だと飼い主の負担になるということもあるので、必要に応じて病院に来てもらってOKですよ、とのこと。

適度に逃げ場を作っておくことは大事だと思います。

私の場合は、点滴に慣れるまで(3カ月くらいかかりました)は、毎日点滴するのがとてもつらくて、週に1回、血液検査をしてもらうときに、一緒に点滴をしてもらっていました。

今日は自宅点滴しなくてもいいんだ、と思った日の朝は、とても気持ちがラクになったことを今でもよく覚えています。

初めての自宅点滴は緊張すると思いますが、疑問に思ったことは必ず主治医の先生に確認して、少しでも不安をなくした状態で、実施できるといいですね。

先生の前でじっさいに点滴の練習をさせてもらうことで、先生からアドバイスをもらえたりするので、「できる!」と思うまで、何度も見てもらうといいと思います。

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