おひとりさまがネコ様をお迎えしたら、最初にやってほしいこと。
それは、人と猫の終活です。
終活と言うと、「まだ早いです」とか、「死んだ後の事?」と思われがちですが、そんなことはありません。
終活は、未来を理想通りに生きるための活動です。
(なので、本当は、終わりの活動ではなく、生きるための活動で、「生活」の方がぴったりだと個人的には思うのですが・・・)
そして、終活は、年齢を重ねた後に実施するものではなく、気力体力のある今のうちに実施しておくべき活動です。
終活といってもかなり幅広いので、今回はネコ飼いのおひとりさまがやっておくべき終活をざっくりとまとめました。
概要レベルですが、このくらいの方が「自分にもできそう!」と思ってもらえるのではないかと思います。
ここから、少しずつまた深堀していけばいいので、まずは始めの一歩を踏み出そうかな?という気持ちになっていただくことが大事です。
ネコ飼いのおひとりさまが終活でやっておくべきこと(概要)
自分の生き方を決める
- これからやりたいこと
- これからやらないこと(惰性でやってきたことの中で「やらないこと」を決める)
- 人間関係・交友関係の整理
- SNSや会員制サービスの見直し
- 今後自分が時間を使いたいもの・事・人について
- 介護・葬儀(お墓)の希望
- 判断能力が亡くなった場合にどうするか(※)
様々な角度から、自分の価値観を洗い出します。
各項目において、どのくらい重きをおいているだろうか?本当に自分の人生には必要だろうか?・・・など。
考えていくうちに、自分の理想の生き方や、なりたい自分像が見えてきます。
※例えば、認知症になったり、事故や病気で意識がなくなったりすることで、自分の意志を表すことができなくなった場合など
ネコたちの生き方を決める
これは非常に難しいです。
なぜなら、どうやっても人間にはネコ様の本当の気持ちがわからないからです。(想像することしかできません)
ですから、ここは、自分がネコたちのために、何をしてあげたいか?どういう未来がネコ様にとって幸せか?ということになると思います。(ある意味、「自分の生き方を決める」に含まれると言ってもいいかもしれません。)
間違っても飼い主のエゴによって、「ネコ様がこうあってほしい」という生き方を決めてはいけません。
例えば、私の場合は、わが子には苦しまずQOLを保った状態で、快適に長生きしてほしい、というのが譲れない価値観です。
その価値観を持ちつつも、もう少し具体的に、
- ペットのための信託契約、あるいは、自分が亡くなった後のネコたちの行く末をどうするか
- ネコ様があと何年生きられるか?その間にどう向き合っていくか?
- ネコ様が病気になったとき、治療方針をどうするか
- ネコ様が終末期に入ったときに、どのような方針にするか
- ネコ様の葬儀社を決める、お骨をどうするか
というような内容を決めていくといいでしょう。
お金のあり方と残し方を決める
- 財産の整理
- 資産運用
- 相続
- 健康保険・生命保険の見直し
借金がある場合もない場合も、どうやって誰に残すか、という部分も忘れずに考えておきたいところです。
特に、あなたがおひとりさまや、同居家族がいない場合などで、ネコ様を飼っている場合は、残されたネコ様が最期まで幸せに猫生を全うするための策を講じておかねばなりません。
頼れる人がいないのであれば、ペット信託という方法もあります。
ちなみに、日本ではネコ様は動産扱いになるため、ネコ様に直接的に金銭を相続させることはできません。
他の方法としては、「負担付遺贈」や「負担付死因贈与契約」という形で、ネコ様に金銭を残すという方法もあります。(負担付遺贈については、一方的に遺言するだけなので、相手に遺贈を放棄される可能性があるため注意が必要です。)
なお、お金に関しては、アプリで自動で管理してくれる状態にしておくと、ものすごく便利なので、かなりおススメです。
モノのあり方と残し方を決める
- 断捨離・身辺整理
- データの整理(PC、スマホ、タブレット・・・)
- 各種アカウントや個人情報の整理
一言で言うと、断捨離です。
モノだけではなく、データも対象になります。(データの場合は、デジタル終活などとも言われます。)
自分の死に方と死後の手続き色々について決める
- 最後に頼れる人やサービスの確保(死後・生前事務委任契約)
- 任意後見人を見つける
身内に頼れる方は頼ってもいいですが、きちんと書面で残しておくことが重要です。
家族がいても、遠方に住んでいたり、関係性の問題だったりと、なかなか難しいところもあるかと思います。
身近に頼れる人がいない場合は、お金を払ってサービスを受けることも考えておくといいでしょう。
あとは、これらのサービスがどこまでいくらでやってくれて、カバーできない部分をどうするか考える必要があります。
現在ではこういったサービスは、弁護士や司法書士、民間の企業、NPO法人などが提供する場合が多いようです。
とは言え、これらは比較的新しいサービスであるということもあり、若干無法地帯気味であるとも言われているので、十分に気を付けて選ぶ必要があります。
今後、どんどん持っていいサービスが出てくることも予想されますので、死後のサービスについては、まず理解することと、目星をつけておくというところまででOKです。
いざというときに、焦らずに適切なサービスを選ぶことができるという、準備ができていることが大切です。
なお、覚えておくとよいキーワードとしては下記のとおりです。
サービスを検索するときに使えます。
死後事務委任業務:
自分が死んだ後にお墓に入るまでの手続きや、関係機関・関係者への通知、部屋の退去、遺品整理などを、死んだ本人や親族に代わって行うサービス
生前事務委任業務:
介護施設や入院の際に必要となる身元保証が得られたり、生活のサポートをしてもらうことができるサービス
任意後見業務:
判断能力が劣ってきた際に、契約した範囲で法律業務を代行してもらう(財産管理などまで依頼可能)
まとめ
とてもざっくりではありますが、こうして文字にしてみると、意外といけそうな気がしてきませんか?
- 自分の生き方を決める
- ネコたちの生き方を決める
- お金のあり方と残し方を決める
- モノのあり方と残し方を決める
- 自分の死に方と死後の手続き色々について決める
何かが起こってしまってからでは、焦りから正しい判断をすることが難しくなります。
だからこそ、今、余裕のあるうちに、こういったことを考えておくだけでも十分に効果があります。
実際に調べるなどして、行動に移すということができればなお良し。
ネコ様との未来を、後悔のないものにするために、今から少しずつ始めてみませんか?
そうは言っても、何から始めていいのか・・・(困惑)。
そんな方のために、ネコと終活では、人生(猫生)設計を飼い主様と一緒に作り上げる「終活ポートフォリオ」というサービスを提供しています。