2023年6月5日、大切に大切にしてきた我が家のネコ様が、旅立ちました。
18歳の大往生でした。
ネコ様が元気な時は、「ネコが死んだら、辛すぎて自分も死ぬかもしれない」と、(本気で)思っていた下僕なのですが、実際にネコ様を看取った結果、ペットロスにはなりませんでした。
もちろん、たくさん泣いて、悲しくて、少しだけ後悔もあって、その時は「辛い」の一言でしたが、ネコ様が亡くなった後は、自分でも驚くほどすんなりと、ネコ様の「死」を受け入れられたのです。
さすがに次の日は火葬などがあったので、会社はお休みしましたが、その翌日からはまたいつも通り働いていました。
これには本当に驚きました。
あんなに、「ネコ様がいない世界なんてありえない」「ネコ様命!」「ネコ様が死んだら忌引き休暇で1週間は会社を休みます!」と豪語していた下僕が、ペットロスにならないなんて。
なぜだろう?
考えてみると、1つの理由がありました。
そうです。それは、
「心の準備」
でした。
もし、ネコ様が元気なうちに突然ネコ様を亡くしてしまったら、おそらく私は100%ペットロスになっていたと思います。
慢性腎臓病を患っていた我が家のネコ様には、亡くなるまでにある程度の時間がありました。
結果としてその時間は、375日という1年以上にもわたる長い(今となってはあっという間の)時間だったわけですが、その期間、私とネコ様は、二人で粛々とお互いの終活を進めてきたのでした。
ネコ様の介護を通して、ありとあらゆる事態を想定し、自分とネコ様がどうあるべきなのか、頭と心が壊れそうになるくらいに、考えに考えて、考え抜きました。
慢性腎臓病は、進行を遅らせることはできますが、治ることはありません。
日に日に悪くなっていく腎臓の数値から、残されたネコ様の時間を推し量り、自分が今できること、今してあげたいこと、そしてネコ様が今したいことを考え、実行に移してきました。
終末期に入ってからは、下僕側のマインドセットが非常に大変でしたが、何とか「死」というものに対するマインドを整え、ネコ様のQOLを保ち、ネコ様の矜持を保つためのベストな選択を模索し続けました。
一番辛かったのが、腎臓病のため餌が食べられなくなったネコ様に対し、「かわいそうだ」という気持ちを持たないようにする、というマインドセットでした。
やせ細っていく姿が、どうしてもかわいそうに思えてならなかったからです。
長い闘病生活の中、介護と終活を通して、緩和ケアに入ったころには、そういった感情も何とか昇華し、「今この瞬間」を大切にできるようになりました。
まだネコ様が生きているうちに、エンゼルケアの準備や、葬儀社の選定などをするのは、非常に辛いと感じるとともに、罪悪感すら覚えることもありましたが、そのあたりもしっかりと準備できたことで、ネコ様が旅立つその瞬間まで見届けて、その後も迷うことなく対応することができました。
375日間、毎日悩み、毎日考え抜き、毎日ネコ様と向き合いました。
怒り、理不尽さ、悲しみ、恐れ、不安、様々な感情が交錯していましたが、逃げずにしっかりとネコ様と向き合い、1つずつ乗り越えていきました。
この時間があったからこそ、ネコ様の死をすんなりと受け入れられたのだと、今は分析しています。
ペットロスになるかどうかは、ペットが亡くなるまでに、どれだけ自分の心の準備ができたかどうか、自分の後悔のない選択ができたかどうかが、大きく影響してくるのではないか、そう思います。
まだ生きているうちに死について考えることは辛いです。
ですが、後悔のない人生、猫生を全うするためには、準備(終活)が必要です。
これは自分の実体験からなのですが、ネコ様が病気になってからの終活は、精神的にキツイですし、どうしても感情が入ってしまうため、適切な判断をすることがかなり難しくなります。
ですから、ネコ様が元気な今こそ、将来について起こり得ることを想像し、備える、という大切さを知っていただきたい、そんな願いを込めて今回のブログをしたためました。
そうは言っても、何から始めていいのか・・・と立ち止まってしまう方もいると思います。
そんな方のために、ネコと終活では、人生(猫生)設計を飼い主様と一緒に作り上げる「終活ポートフォリオ」というサービスを提供しています。
一人で進めるのは難しいかもしれませんが、ネコと終活があなたのお話を聞きながら、じっくりとあなたとネコ様の価値観を深堀して、終活の方向性を決めるサポートをさせていただきます。